えちまにはかた

2023/07/29

みちのく潮風トレイル 3日目 陸中夏井〜野田玉川

連泊だけど、昨日と部屋がかわって東側。海の見える部屋だ。

4時半。ご来光だ。海から上る朝日。なかなか見れるもんじゃない。


昨日洗濯して干した。朝日が当たって乾く。




昨日、いつの間にか、走ってる車は、岩手ナンバーだ。海沿いの道には県境の標識は無かったけど、歩いて青森から岩手に入ったようだ。



暑い暑いっていいながら歩いてるけど、実は30℃以下なんだ。天気がよくて陽射しが強いだけで。

民家の前を歩くと、エアコンをつけてる家なんか無い。どこの家も網戸でレースのカーテンがひらひら揺れてる。

歩いてると暑いけど…やっぱり東北だ。



同宿の夫婦はオランダ人だった。奥さまはおしゃべり好きで陽気だ。私のリュックを見て、camino santiago ? と。

camino の話で盛り上がる。奥さまはmany many years ago サリアから歩いたと。

very very beautiful way.だったとゆう。違うよ。サリアからなんか、人は多いし、感動するような景色なんかなかった。ほんとにすばらしいのはもっと東だよ、って言いたかったけど、英語はめんどくさいのでやめた…

欧米人は歩き好きだ。35kmでも歩くと。この暑さに35km…無理だ。今年のヨーロッパは40℃になってる所もあると。日本の暑さはなんでもない、とゆう。


2泊した種市の宿を出て、8:10の列車で陸中夏井下車。




井戸水が湧いてる。ネックゲーターをビショビショに濡らすと気持ちいい。

そうか、冬でも首をマフラーであっためるよね。首だよ、首。ついでにシャツもタイツも濡らす。30分も歩けば乾いてしまう。その間、気化熱で涼しい。ってことは、洗濯して乾かなくても着ればいいんやん。そうか。


すごい堤防だ。長い…どこまで続くんだ… 震災後に作ったのか…


もし、もしだよ。津波がこの川を上ってきて、堤防を越えたら、右の住宅は全て水に浸かる。浸かるだけならまだしも、流される…


あの堤防の上を歩いてきた。堤防の上には陰は無い。


どこを歩いても、高い堤防だ…



2時間ほど歩いた。赤浜展望台で休憩。


水道を見つけるとビショビショ作戦。工場みたいな所で水道を見つけて濡らしてると、遠くから「その水、飲んだらダメだよ~!」の声。「はーい」 そうか、飲めない水もあるんだ。勝手に水道使って、すみません。



小袖海女センターまで海沿いを歩く。海が青い。キレイだ。車で走れば、一瞬で過ぎてしまうこの風景。歩いてると、ゆっくり長い間、このキレイな海を見てられるんだ。得した気分か。

ま、歩くのはしんどいんだけど…





着いた〜
小袖海岸。「じぇじぇじぇ~」

海女センターで景気づけにウニ食ってやろう。ひとウニ1000円。ほんのひとくちずつだ。

ここ、ここ! 「あまちゃん」で宮本信子が潜ってたとこ。


またもや堤防。はっきり線がついてる。2m追加して高くしたんだ。

小袖海岸からバスで陸中野田へ。小袖からはかなりキツい山道で、この暑さでは無理と判断。バスで峠を越える。バスでさえかなり上った。歩くの無理だ…

野田の道の駅でランチ。磯丼、ウニホタテの卵とじ。

涼しい場所で150円のアイスコーヒー。生き返る〜。さあ、また水道でそこらじゅうビショビショに濡らして、炎天下を歩く。

野田玉川駅まで歩けば、今日の宿「えぼし荘」から迎えに来てくれる。



十府ヶ浦(とふがうら)ここは津波の被害に遭った場所だ。なにやらイベントがあって、若い人たちが生演奏してた。暑すぎて客もまばら。
後方にはバカでかい堤防が…





ここにさ23mの津波がきて、木造家屋はほぼ全部流されたようだ。


どこにでも高い防潮堤。なんだか異様な光景だ…2m高くしたそうだけど、もう一度あの津波がきたら…簡単に越えてしまう…



あんな高いのか…新しい堤防は22mどころか、10mほどしかない。もう一度、あのレベルの津波がきたら、又全滅か…



すごい堤防だよ…

でも…自然の力には勝てないよ。堤防で防ぐのにも限界がある。負けを認めて高台に移住した方がいいんじゃないのかな…

地球の温暖化は人間の仕業だけど、地震に津波は人間のせいじゃない。どうしようもない。




ほんの7kmほどだと思ったのに、思いのほか時間がかかった。坂道もあった。陰の無い暑い道も長かった。疲れた…

野田玉川駅でへたれこむ。あとはお迎えを待つだけ。

疲れた…



国民宿舎えぼし荘。小高い丘の上にある。震災の時は避難所になってたようだ。

うれしいことにランドリーコーナー。なんと洗濯機60分100円!

スペインでは洗濯乾燥で13€だった。2000円…日本ってすばらしい。部屋のベランダの室外機から出る温風で一瞬で乾いた!

ちょっと左足向こうずねがツッてるってゆうか…痛いぞ…



「三陸にはうめえもんいっぺあるがらくってけろ。あづさにけつげて」

とLINEがきた。これが「はづのへ弁」か…

そういえば、道の駅でふたりのばあちゃんが話してた。「あづい」ってことばはなんとなくわかったけど、会話は全く何ゆってるかわからんかった…



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