昨日、くろさき荘で出会った地元の女性。普代に出る森が、クマが出そうでこわかった、と話すと。
「クマ出るんですよ~お盆に向けて仏壇に食べ物供えててるでしょ。それを目当てにクマが家をの中に入りこんでくるのよ。田舎は戸締まりなんかしないからねえ」とゆう。なんと恐ろしい…
襲われて死んだとか、ケガをした、となるとニュースになるけど、仏壇の果物を食べられた、ならニュースにもならんのか…
みちのく潮風トレイルってこうゆうもんだよ。
今日は次の宿まで8時間。とても無理だ。くろさき荘トレイルプランは送迎付。北山崎ビジターセンターまで送ってくれる。3時間短くなる。それそれ。あんまり頑張り過ぎないように、皆に言われてるんだ。
ビジターセンター。実際に宮古から八戸まで歩いて地図を制作したスタッフがいろいろアドバイスしてくれる。
Kさん、わかるんだろね…
明戸の机浜番屋まで自販機も何も無いと。水、スポドリ、お茶…500mlを4本。足りるかなあ。なんか心細い。
なんといきなりの鬼の階段攻め。下り510段。その後上り650段!!
この上り下りの1200段の階段だけで1時間かかった。地獄の階段攻めやあ。
だいたい明戸まで8.6kmに5時間かかると言われた。おかしいと思ったら…こうゆうことか…
アップダウンはこれだけじゃなかった…
ビジターセンターで「クマ、いますか…?」
「います」即答だった。「問題は出会うかどうか、です」そんなこといわれても…
海抜250mまで上って、又ゼロまで下る。
ヒドイよ、全く…しんど過ぎる…
ここはちょっと楽しみにしてた。手掘りトンネルだ。
ヘッドランプは持ってきてない。スマホで。150mほどかな。涼しい。
海ってこんな色だったのか。
トンネルはふたつあった。このおかげで上らずに済んだ、と思ったのもつかの間…
くそう。又上るんかい?!
びぇ~っ!! ぎゃ〜っ!! クマよけに絶叫しといてやる。
絶叫しても上るしかない…エスケープルートは無い。
またこれ、1段が高い…
とうとう机浜(つくえはま)に下る。
津波はここまできたんだな…
飲物がもう無くなってきた。節約して飲みながら。
流される前と同じように番屋を再現したけど、ここには暮らせない。これも震災遺構だ。
今日は山ばかりで、ランチするとこないので、おにぎりを作ってもらったけど、クマがいるような山中で食べる気になれずに下ってきた。ドアを開けたらちょっと風が通る。考えられないよね。エアコンもない室内でおにぎりランチ。
歩かなくていいだけで、カラダは休まるもので。
そうかあ…40年に1度は津波にやられてるんだ…
毎日のように、ニュースばかり見てたけど…私って、一体どのくらい震災のことわかってたんだろう…
ここまできたら、もうキツい上りは無いと思ったのに…なんで…?
くそう、いい加減にしてくれ! これが絶対に最後の上りだ!
上れば海の色がキレイだ。
見えた~! あれが今日の宿。あと30分か。
でも、あれ、海抜10mも無いんじゃないのかな…やられんかったんかな…
田野畑震災遺構公園。なんだか異様な公園だ。破壊された堤防が残されてる。
今はこの高さに10mの新しい堤防ができて、その上を県道が走ってる。
津波の第一波が、5mほどの堤防を軽々と越えて、その奥の養殖場などは全て消滅。その引き波で堤防が破壊されたそうだ。
やっと着いた〜。しんどかった〜。
距離は15kmほどしかないのに、なんてキツい階段攻めだったことか。6時間。
フロントで聞いた。3階までは全て流されたそうだ。中身は消滅したけど、基礎がしっかりしてたから再建できたと。
当時は四階より上が避難所になったそうだ。
でも、この波打ち際に避難…勇気いるよ…
山の上に逃げたくなるよ…