えちまにはかた

2022/09/10

サンティアゴ巡礼の旅 ㉒ サンマルティンデルカミーノ〜アストルガ 23キロ

 昨夜、寝る時、耳元で蚊がぶ〜んってゆう音がして腹がたつ。そういえば、カネダさんが言ってたな。公営アルベルゲに泊まりながら旅してるカネダさん。体育館の床にマットを敷いて寝るような所もある。そんな場所にはダニがいてかゆくて困ると。次の日は前もって殺虫剤をまいたら大丈夫だったと。そんなアルベルゲには泊まりたくない…


さあ、今日も7時出発。このアルベルゲは最高だった。7時から朝食も食べれるが、少し歩いてから途中の村で休憩も兼ねての朝食にしたい。 

暗い中、歩き出す。

圭介くん、見てますか。ヴッパータール、ペケって覚えてるよね。ひとりで車に乗って出て、道に迷ってね。ドイツの暮らしがなつかしい。35年前だね。こちらでは、その街を出るポイントにはペケがつくんだ。

今日も朝焼けだ。



なんじゃこれは!こんなのイヤだよ。

国道沿いの道が延々と続くだけ。田舎道を歩けば、静かで聞こえるのは鳥の声だけなのに、国道を車がガンガン走る音は騒音でしかない。こんな道…悲しい気持ちで、ひたすら前に進むしかない。

1時間半、この道を歩き続ける我慢の時間だった。ひとつ目の村、プエンテ・オスピタル・デ・オルビゴ。

カフェだ! しかも美味しそう。しかもトマト売ってる!トルティージャ、チョリソー、チーズ入りやん!

トマトを買ってクロワッサンサンドにはさもう。マヨネーズ持ってるし。このトルティージャ、美味い!

超満足の食べ過ぎ朝ごはんだった。


カミーノにはステキな橋がいっぱいある。


オルビゴ川にかかるこの橋もそのひとつ。
国道沿いばっかり歩いてきたので、この橋の景観、むっちゃうれしかったよ。




オルビゴの村を出ると、この道。カミーノはこうでなくっちゃ。


ベビーカーに犬を連れたヤングママ。速い。抜かされた。ってか、どこ行くの?! 次の村まで5キロあるよ。



お接待所。欲しいものをもらって、寄付としておカネをおいていく。ジュースを飲んで1€おいた。お兄さんが「コンニチワ!」って言ったよ。


赤土の道だ。



引っ張ってるのは、ワンちゃん乗せるやつだ。今はご機嫌に走ってます。



果てしなく先が見えない道でも、しんどい上り坂でも、石がゴロゴロの下り坂でも、どんな道でも、国道沿いの道よりずっと好きだ。



いつも、しんどい上り坂は、あの上まで行ったら、きっとすごい景色が待ってる!と思ってがんばるんだ。



 見えた! アストルガの街だ!



あとは下るだけ、と思ったら、街の中心がすごい高い所にあって、登る登る。


今日は暑い。朝は10℃で寒い。お昼も25℃ぐらいなんだけど、陰がなくて暑い…
暑い心配、寒い心配…どっちだ。


こうゆう巡礼者の銅像、よくあるよ。元気出さなくっちゃ。

日本の街道でも同じだ。昔の人は歩くしかないんだ。盗賊に会ったり、狼に襲われたり、ケガや病気や…サンチャゴまでたどり着けずに死ぬ人も多かっただろう。熊野本宮大社にたどり着けずに死んだ人のための慰霊碑やお地蔵さまもあったなあ。
大阪からお伊勢参りも命がけのレクリエーションだったんだな。

健康で歩ける。こんな旅ができる私は、この上ない幸せだ。
誰にでもできるこっちゃない…気がする…

いや、ちょっとおカネと体力と根性があれば、できるよ!


さすがのスペイン。パエージャパンがこんなに。



はい、菅笠撮影隊。にっこり、パシャ!



イギリスのナンバーだった。日本のバイク。誇らしいね。バイクいいなあ。今度はこれにしようよ。


ガウディ設計。司教のために作ったんだけど、派手過ぎて住むのはイヤだと言ったとか。派手かあ…ディズニーランドのお城だね。ドイツのノイシュヴァンシュタイン城にも似てる。



今日はカテドラル前のホテルガウディ。老舗ホテルだ。でも、ドアノブが凝ったデザインだったり、ベッドのヘッドに彫刻があったり…使い勝手はオスタルと変わらんよ。

ただ、アストルガのカテドラル広場の真ん前にある、とゆうことだ。


朝食をしっかり食べて、ランチは3時を過ぎた。

混んでるから20分ほど待ってくれ、と、このハムはサービスだった。イケメンウェイターはメニューの写真をスマホで撮って英語にして見せてくれた。ご親切にグラシャス!

サルモレホにハマってます。このスープ美味し過ぎる!






夜?7時。外へ出る。半袖1枚で気持ちいい。








スペイン北部の巡礼路も近年の開発によって高速道路や幹線道路ができて、本来の巡礼路の位置が変わったりしているらしい。四国遍路道も同じだ。道路ができトンネルができ…これは仕方ないことなんだな。

そんな中でも、明日から歩くイラゴ峠越えは、典型的な巡礼路のひとつなのだそうだ。貧しい村のアルベルゲで、疲れた巡礼者をあたたかく迎えてくれるのだ。巡礼路上の村と巡礼者の本来の関係なのだ。お金で買うことのできない貴重は体験になりますように。

まさに四国遍路の遍路宿と遍路の関係だと思う。四国の人たちは歩き遍路を心からあたたかく迎えてくれる。時には涙が出そうなほどに。


明日からしんどい峠越えだ。標高1515mまで。

今日はアストルガ泊。大きな街ではウロウロ歩いてしまうので42000歩を超えた。

サンティアゴまであと262.8キロだ。




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