えちまにはかた

2021/10/08

アルベルゲ「山帰来」

古道歩き旅4日目。朝から温泉に浸かる。
今日は寄り道しながら帰るだけ。いいお天気だ。こんなに何日も晴れるなんて珍しい。
海へ出てみよう。

熊野川に沿って南へ走る。



途中、丸山千枚田に寄る。稲刈終わっちゃった。
山もきれい。虫の声しか聞こえない。東屋のベンチで気持ちいい風に吹かれて山をみて…
何時間でも座ってられる気がするよ。2日間の山歩きをなんとなく思い出しながら。





また来てしまった。波田須の里。
10年ほど前、歩いてここへ来た時、「休んでいきなさい」とインスタントのコーヒーを入れてくれたじいちゃんばあちゃんがここにいた。もう死んじゃっただろうな。





311号線をのんびり海沿いに走る。海、きれい・・・石垣島にも負けてない。
新鹿の海水浴場。



あ、この階段登ったなあ。あ、この橋渡ったなあ。ここからの峠しんどかったなあ・・・
大辺路や伊勢路の懐かしい道を探しながら尾鷲へ走る。

尾鷲に寄ってみたい店がある。




今年、伊勢から速玉大社までの伊勢路を歩いた時に見つけた。
馬越峠から尾鷲の街に下る途中の高台にあった。
山の喫茶とアルベルゲ「山帰来」 その時は「コロナで休業」と書いてあった。
帰宅後調べてみると、
「アルベルゲ」と書いてるだけあって、ご夫婦でカミーノを780キロ歩かれている。
お会いしたい。


「コロナで休業」の張り紙は以前のままだった。
残念…と思い庭を見ていると、奥様が出てきた。
「伊勢路を歩いてここへ来た時にアルベルゲってゆう名前に惹かれて・・・
ここへ来てみたかったんです」
「アルベルゲの意味、ご存じなの?」
「カミーノの巡礼宿ですよね。行きたくて行きたくて」
「お店はやってないんだけど、お入りなさいな。お茶いれますよ」と招き入れて下さった。

暖炉があって、外のデッキにこんなすごいベンチやテーブルがあって・・・
センスがうかがえるステキな場所だった。


66歳の時に45日かけて歩いたそうで、今は80歳を過ぎてらっしゃる。
壁じゅうにカミーノ巡礼の時のお写真や資料が。巡礼手帳も壁に貼ってあった。
「山の会」を主宰して、国内海外の山を歩かれたようだ。
ドロミテ、スイス・・・いろんな資料が積んであった。

奥様は、ついこの前のことのように、スペインでの毎日のことを話してくださる。
アルベルゲでベッドが空いてなくて、軒下で寝袋だけで外で寝たこともある、と。
雨が降りこんで寝袋が濡れたと。

最後にこうおっしゃった。「楽しかったわよ」  その言葉が心に残っている。

庭にあるヤマモモで作ったジュースを出してくださった。すっごく美味しかった。


ご主人も話に加わってくださった。伊勢路の古道館の館長をされてるそうだ。
これらの本も執筆されている。
熊野古道、全750キロ、高野山への道、女人道、伊勢本街道・・・全て歩いたと話した。

こんな道は日本で他には無いんですか?と尋ねると、無いらしい。
昔、都のあった京都奈良から近く、南への巡礼道。熊野三山、伊勢神宮へ参る道。

やっぱり昔の街道はすばらしい。


さすがに80歳を過ぎて山には登らなくなったと。3年ぐらい前までは歩いていたそうだ。
今はのんびりしてらっしゃるようだ。
「コロナで休業してたんだけど、休み癖がついたのかしらね。もうのんびりしてるのよ」

ご主人がのびた枝を刈っていた。こんな山に住んでると、やることがいっぱいある、と。

おふたりで山や街道をいっぱい歩いて、こんな場所でシャレた宿とカフェ。
庭仕事をしながらヤマモモを収穫して・・・うらやましく思った。

私達もあと15年は遊べないんだな。あと10年とちょっとなんだな。
80歳になったら、どんな暮らしをしてるんだろう・・・


「連絡先をおしえてちょうだい」とおっしゃるので、私の名刺をおいてきた。
帰ったらお礼状を書こう。

尾鷲のマックで休憩して、走ること3時間と少し。無事帰宅。

山中で道路を走るサルを3匹見つけた。走るバイクから最後の1匹が撮れた。
この網をスルスルっと登って行ったよ。


15年前に歩いてすっかり忘れてた「中辺路」二日で40キロ以上歩いた。
楽しかった。街道歩きはやめられない。スペインへ行くしかない。




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